ここ最近ご近所の先生からの抜歯依頼が増えてます。
近隣に大学病院がないので紹介状渡される患者様も大変。
そんなことで最初からうちにご紹介いただいたり、
患者様がご自分で探して来院されることが増えてるんです。
今回のご相談も埋まってる親知らずでした。
真横ではなく斜めなのでそれはまだいいのですが、
歯根の先がかなり曲がっており神経にかなり近い。
通常のパノラマレントゲンですと重なって見えます。
実は数年前に某大学で相談したそうで、
抜歯後の麻痺の可能性を聞いて怖くなったと…。
しかしその後間に物が挟まって何度も炎症を繰り返し、
一大決心しご近所の歯科医院で抜歯をご希望された。
そういった流れでうちに来院されたのです。
下歯槽神経は耳の裏側から下顎骨の中を走行し、
口角の下あたりで外側に出てきます。
圧迫したり傷つけると麻痺様症状が起き危険。
なのでこういった親知らずの抜歯の際は、
必ずCTで3次元的な位置確認が必要なのです。
上の2枚の写真はスライス面が違います。
右上の青ラインでスライスし正面から見たのが左上。
斜めに埋まっている親知らずが歯根の先端に向かうと、
どんどん下歯槽神経に近づいてるのがわかるかと思います。
最終的には根尖が曲がって下歯槽神経を取り巻いてた…。
通常の虫歯治療と同じ 局所麻酔で約5分。
縫合2針でスピード抜歯終了しました。
ご紹介いただいた先生にメールでご報告。
なかなかの難症例でしたが、
ちょっとした工夫で低侵襲抜歯できました。
なので腫れと痛みは最小限かなと…。
お大事になさってください。