インプラント治療を行う歯科医院はたくさんありますが、
それぞれ医院ごとの特徴を持つのでかなり違います。
KU歯科クリニックはどちらかと言うと少数歯欠損系。
天然歯・インプラント・天然歯・インプラントと言ったように、
1本1本バラバラに単独になるよう治療計画を提案することが多い。
インプラントは周辺環境の悪化の影響を受けやすいので、
少し将来性のない歯近くの歯を攻撃的に抜歯して、
理想的な位置にインプラントを埋入することもある。
そうやっていくうちに徐々に多数歯欠損になり、
その極端な例がオールオン4に代表される。
多数歯欠損にした方が埋入位置の自由度が大きくなる。
なので骨造成を行わず痩せにくい位置を選ぶので、
痛みや腫れが少なく済む場合も多い。
しかし天然歯に勝るものはなく歯根膜の血流は大切。
なので当医院でも無歯顎・多数歯欠損は行うが、
どちらかと言うと
「インプラントで天然歯の延命を図る」
と言う考えの方が強い。
こちらの患者様も
23 神経治療してある天然歯・揺れなし
24 歯根破折にて抜歯・頬側の骨はなし
25 神経治療してある天然歯・揺れ中程度
26 かなり前に抜歯し骨はほとんどなし
27 神経のある天然歯
と絵に書いたような混在した状態。
25を残すか抜歯するかは判断のわかれるところだが、
ひとまず固定式仮歯の安定のために残してある。
26部は2ミリほどしか既存骨がなく厳しい状態。
サイナスリフトで上顎洞内に骨造成を行い、
更に歯槽頂側からも骨造成しサンドイッチした。
このまま4~5か月ほど待ってからインプラントを埋入する。
24部の骨欠損状態は上記CTの左側。
かなりダメージが大きく骨質も軟らかかったが、
初期固定の取りやすいタイプのインプラントを選択。
*カムログインプラント コーンログ プログレッシブ 使用
頬側に骨造成を行い約4か月ほど待ちます。
ちょうど奥の6番部のインプラント埋入時期と同じなので、
一緒に行おうと計画しています。
24部のインプラント埋入とGBR
26部のサイナスリフトとGBR
局所麻酔でお話ししながら行って、
約50分ほどでスムーズに終了しました。
できるだけ外科処置の回数を最小限にするために、
事前情報(CTの3次元画像)で綿密に計画を立て、
最も有効的なタイミングで治療を進めていきます。
こんな内容を週末学会でお話しする予定。
新潟寒いでしょうか…。