右上1番のオールセラミッククラウン。
上は試適で適合性や色形を確認。
下は最終接着後の写真。
オールセラミッククラウンは透明度が高いと透けます。
なので支台の色と接着剤の色を加味したシェードで製作します。
前回も書きましたが奇数ですので色形の自由度はほとんどなく、
隣の同名歯を基準にして調和を図ることが大切です。
難しめの色でしたので単色ジルコニアでは不可能。
咬合力のかからない唇側だけ陶材を築盛し仕上げました。
ケースによって製作物の自由度は違います。
今回のケースの自由度はほぼなし。
忠実に隣の歯とシンメトリー(鏡の法則)で製作し、
周囲との調和を図ります。
ここでまた基準線をいくつか引いてみました。
まずは青いセンターライン。
その青ラインを基準にして、
中心部の歯間乳頭部分立ち上がり。
左右対称のV字になっています。
更に歯頚部を構成する複数の白線。
これもまた左右対称になっています。
切縁も左1番に対象になるよう内側を眺め。
先端のくびれも同じ位置に作りこみました。
こういったセオリーを忠実に守り製作すると、
緑のライン(歯軸)もしっかりシンメトリーに。
これはあくまでも審美性を追求した理想的な形。
下の歯のデコボコによって先端にストレスがかからないよう、
かみ合わせはしっかり調整しておかなくてはなりません。
可能なら下の前歯は部分矯正した方が良いかも。
オールセラミッククラウンでの補綴。
もちろん神経を取らずに生活歯で。
製作:デンタルスタジオ246