東京・渋谷
保存か抜歯か…
保存か抜歯か…
相談する歯科医によって意見が分かれるので、
患者様も悩むところだと思います。
とても怖がりの40代後半の男性患者様。
そもそも前歯のトラブルで来院されたのですが、
元々全体のかみ合わせが良くない…。
上顎奥歯の欠損を放置しているところもある。
欠損を放置すると他の歯に過剰な負担がかかるし、
顎は蝶番のような動きをするので、
奥歯が不安定だと前歯を突き上げる。
その結果前歯にもトラブルが広がってくる。
担当医から「奥歯がもう限界です…」と。
怖がりの患者様に時間をかけて説明し、
奥歯をちゃんと治し安定させて、
同時進行で前歯も治しましょうと提案。
ご理解いただけました。
元々あるはずの右下5番が欠損しており、
6番と7番にはクラウンが入っていた。
6番の根尖周囲…特に近心根の骨吸収は大きく(写真上・水色)
恐らく分岐部(写真上・右黄色↑)は亀裂があるだろう。
7番の近心根は内部歯質はほぼ感染歯質と思われ(写真上・左↑)、
こちらも分岐部は折れていると思われる。
昨日来院され2本の抜歯が無事終わりました。
麻酔してクラウンをつかむとあっという間に外れ、
内部は感染歯質でだらけで匂いもした…。
予想通り2本とも分岐部で折れており、
周囲組織を挫滅させないよう慎重に抜歯。
7番の近心根は歯槽骨と癒着しておりちょっと大変。
骨再生を促進させるコラーゲンスポンジを挿入し、
4針ほど縫合糸終了しました。
次回仮義歯の型採りになります…。
この歯のクラウンが自然脱落する頃には、
歯槽骨の吸収範囲(溶ける範囲)はもっと広く、
次の治療の選択肢が狭くなっていたかもしれない。
人間ドッグは症状がない状態で受診する。
自覚してない患者様に問題を説明する…。
医科では当たり前のことだが歯科ではどうだろう。
歯科は自覚のない無症状の問題があった場合に、
患者様に伝えることに慣れていない…。
痛みがある、腫れている、かぶせ物が取れた
自覚のある患者様の治療には慣れているが、
無症状で静かに進行している問題を、
自覚のない患者様に説明するのは慣れてない。
すぐに治療を開始するかどうかはともかく、
全ての問題と問題の原因を説明しなければならない。
その上でご自身で判断してもらう。
KU歯科クリニックは
傷口に絆創膏的な治療だけでなく、
なぜ怪我をしたのか?
怪我を繰り返す原因はなぜか?
という原因を解決する歯科医療を目指します。
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