前歯を綺麗にするための治療はホワイトニングやラミネートべニアや矯正治療など様々です。
前歯の色や形や歯並びは人の印象を決める重要なパーツ。
ここに自信が持てないと心理的にも影響を及ぼし笑顔が不自然になってしまいます。

・色を綺麗にしたい場合はホワイトニング
・形を綺麗にしたい場合はコンポジットレジン修復やラミネートべニア
・歯並びを綺麗にしたい場合は歯列矯正治療

とそれぞれ治療法がありますが、
色と形と歯並びの全てに問題がある場合はどれか１つでも解決しません。

上記のケースは、コンポジットレジン修復を広範囲で何度も繰り返し変色してしまった前歯。（写真上）
コンポジットレジン修復は咬み合わせの力がかかりにくい小さな範囲の治療でなら良いですが、
広範囲で修復が必要になってしまったり時間が経過してくると、修復物が変色して表面の艶もなくなってしまいます。
こちらの患者様は短期間で何度もやり直したようで神経へ悪影響が出る可能性が高くなってきたので、
計画的に前歯4本をセラミッククラウンで色と形と歯並びを改善し、見た目とかみ合わせを治すことになりました。

セラミッククラウンにはたくさんの種類がありますが当院では金属フレームに焼き付けるタイプは行っていません。
色を綺麗にするために天然歯を削る量が多くなってしまいますし、歯肉が暗く変色しやすいからです。
e.MAXはニケイ酸リチウムと言うセラミックで透明感に優れますがジルコニアよりやや強度が劣ります。
ジルコニアは最も強度があるセラミックでディスクを削りだした後焼結して製作していきます。
表面部分に専用陶材を焼き付け色付けして完成させるカットバックテクニッを用いた製作法と、
予め複数の層に色付けされているディスクを計画的に削りだして色付けし最終仕上げを行う方法があります。
今回のように先端で当たるかみ合わせで破折が心配されるようなケースでは後者のフルジルコニアクラウンが有効です。
天然の歯を削る量も少なく済むので神経への影響も少なく済みますから歯へのダメージは最小限になります。

古い修復部分を全て除去し神経を保護した後に予め準備しておいた仮歯を装着して数日間使用してもらいます。
痛みやかみ合わせに問題かないかをチェックし、最も大切な見た目のイメージを確認していただいて、
最終的な型採りとかみ合わせの確認とセラミスト（歯科技工士）による形や色のチェックを慎重に行います。
約10～14日後に最終的なセラミッククラウンをレジン系装着材で一体化させ完了になります。
総治療回数は平均３～5回、総治療期間は平均3週間～1か月です。

神経を取っている歯の場合はファイバーコアポストで補強を行ってからセラミッククラウンの製作に入ります。
古いメタルコア（金属製ポスト）やスクリューポスト（既成の補強ネジ）は可能な限り除きファイバーに代えます。
ファイバーは化学繊維を束にして製作されてますので、しなりながら粘り歯質を守ってくれます。
例えると、ゴルフのドライバーのシャフトや釣り竿のようなしなるイメージです。
メタルコアは長期的に腐食していきますので歯質が劣化し破折しやすくなりますので最近は使用しません。
すでにこれが入っていて外すほうがリスクがある場合は補強しメタル部分を覆い隠し審美性を高めます。

前歯4本のジルコニアセラミッククラウンの装着後すぐの口腔内写真になります。（写真下）
治療前の上の写真と違い、真ん中を中心に左右が対称に製作されておりバランスが改善されています。
元々が受け口とまではいかないものの切端で咬合する最も先端が破損しやすいタイプのかみ合わせですので、
審美性を考慮しながらも強度と長期安定性を優先させた材料と治療法で行いました。

一口にセラミッククラウンと言っても、材質も様々ですし仕上げ方もケースによって色々です。
もちろん、ホワイトニングやコンポジットレジン修復で改善できれば最高なのですが、
あまりそれにこだわりすぎるとかえって神経を取らなければならなくなり可能性が高くなることも。
どこかで計画的にバランスよくセラミッククラウンにすることが必要かもしれません。
ただし天然歯の寿命を延ばすために安易に神経を取ることがないような治療が望ましいです。
無理やり残して短期間で神経が死んでしまったりは逆にダメですが安易に取ったりしてはいけません。

製作　デンタルスタジオ246　石川
治療　KU歯科クリニック　梅田

KU歯科クリニックでは平成8年の開業以来金属不使用のオールセラミッククラウンにこだわっております。
古いセラミッククラウンのやり直しの相談や表面だけにプレートを貼るラミネートべニア修復も多く行っております。

是非ご相談ください。

前歯4本のラミネートべニア修復
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