歯を失ってしまった際に人工歯根を埋め込み欠損部を回復するインプラント治療ですが、
前歯となると機能的な回復だけではなく高い審美的要求にも応えられなければなりません。
数年前にインプラント治療を行ったが極端に歯が長くアンバランスで笑えないというご相談。(写真上↑)
両隣の歯にもセラミッククラウンが入ってますが歯の長さや幅などがバラバラで美しいとは言えません。
また左上①のインプラント周囲は歯肉が炎症を起こしており触れると出血してしまう状態。
レントゲンやCTなどで詳細を確認するとインプラントを支える歯槽骨はかなり痩せていました。
インプラント埋入ポジションはかなり深いうえに唇側に寄っており唇側の歯槽骨は半分以下になっていました。
まず周囲組織の挫滅を最小限にしながらこのインプラントを撤去し自然にどれくらい回復するか経過をみます。
1か月半ほど経過観察をした後、歯肉の凹みを膨らませるために結合組織移植を行います。
更に1か月半ほど経過観察し歯肉が落ち着いてくるのを待ちます。
可能であれば再度インプラント治療を行いそれぞれセパレートしたいところですが、
この部位に繰り返し外科手術を行っており血流が良くないことや、
歯槽骨の吸収範囲があまりにも大きいためブリッジで行うことになりました。
たまたま両隣の歯がすでにセラミッククラウンが入ってこともありブリッジを選択
もしも無傷な天然歯であればリスクを背負っても再度インプラントに向かったかもしれませんが、
治療期間がかなり長期化しますしともかくこの周辺が瘢痕化しており血流がよくありません。
金属を使用しないジルコニアオールセラミックブリッジ(写真上↑)
1つの治療法に固執するのではなく、ケースバイケースで様々な治療法を選択していくことが大切です。
そして歯科治療はだれがやっても同じ結果を得られないということも理解しておかなければなりません。
↑
こちらも併せてお読みください。
KU歯科クリニック