下顎第2大臼歯。
最後方に位置する歯です。
奥歯で歯ブラシが当たりにくく磨きにくいということもあり、
ここにはインプラントは必要ないという歯科医もいらっしゃいます。
しかし、咬み合う相手の上顎第2大臼歯があった場合はそうでしょうか…。
長期間この歯がないまま放置していたら上の歯はどんどん下に伸びてきます。
伸びた上の歯は隣の歯との間の隙間が大きくなり食べ物が挟まりやすくなったり、
伸びすぎて下の歯肉に食い込んで炎症を起こしてしまうこともあります。
多数歯欠損の場合は最後方の下顎第2大臼歯が必要ないこともあるかもしれませんが、
まだ対合歯が健康でしっかりある場合はちゃんと欠損部を補ったほうが良いでしょう。
欠損を放置することで対合歯や隣在歯が移動したり全体のかみ合わせが狂うからです。
2か月前に下顎第2大臼歯にインプラント埋入。
1回法で行ったので最初から歯肉を貫通させ縫合しました。
今日まで1度も痛み止めも飲まず痛み腫れは全くなし。
手術回数は埋入時の1回約10分だけであとはチェックのみ。
今日は骨吸収が起きてないかをチェックして印象ポストを装着。
骨レベルと印象ポストのフィットをレントゲンでチェック。(写真上)
もちろん最終型採りをする前にオステルの測定。
これは音波でインプラントの骨結合を計測する機器。
78と言う数値はすこぶる順調な状態です。(写真下)
次回、フルジルコニアクラウンをスクリュー固定で装着予定。
インプラントはあえて機械研磨面(マシンサーフェス)が一定幅付いてるタイプ。
長期的に歯肉が退縮しても機械研磨面なら汚れを掃除しやすい。
なので深めに埋入しすぎずあえてやや浅めにしています。
40代女性なのにかなり咬合力が強い患者様。
メタルボンドなどの軟らかいポーセレンではなく、
強度と審美性を兼ね備えたジルコニアオールセラミックスを選択。
他の奥歯のすり減り方を見るとなかなかの咬合力ですね。
先日ある先生から「7番目にインプラントをする必要があるか」と質問がありまして。
特に上顎7番は骨質も軟らかく骨量も不足なことが多いのでなかなかうまくいかないと。
上顎7番であってもきちんと骨造成すればなんの問題もなく機能している実感がありますので、
私はやはり噛み合う相手があるのであればきちんと7番目まで回復する方針だと答えました。
もちろんケースバイケースですけどね。