歯が欠損した場合の選択肢の1つとして確立された歯科インプラント治療。
周囲の天然歯に負担をかけることなく天然歯に最も近い使用感があります。
しかし長期間使っていくと多少のトラブルが起きることもあることも事実。
様々なトラブルの中でシビアなトラブルは「緩みやぐらつき」です。
「インプラントが緩んでぐらぐらしている」
一瞬ドキッとするがまずは何が揺れているのかを冷静に確認しなければなりません。
周辺歯肉の炎症の有無や範囲はどうか。
歯肉に指をあて横に揺らしてどこが緩んでいるのか。
もちろんレントゲン写真撮影などで状況を正確に確認します。
1. 最も多いのはアバットメントの緩み。
上部構造とインプラント体を連結するアバットメントはネジで固定されており、
一定以上の荷重がかかった際にネジが緩んだり壊れてインプラント体の骨結合を守る。
この場合は一旦外してかみ合わせを再度調整してクリーニングしてから再装着。
揺れをそのまま放置すると炎症を起こして骨吸収が進むので早期の対応が必要だ。
2. 最悪なのはインプラント体ごとの揺れ。
インプラントを支える周囲の支持骨が吸収してしまった状態。
初期に起きたのであれば埋入手術時の骨への過剰ストレスが原因かも。
しばらく経ってから起きたのであればかみ合わせや清掃不良によるものが原因。
この状況の対応は最も重篤で骨再生もしくは撤去しなければならなくなることも。
3. このどちらでもないのがインプラント体の破折。
インプラント体に亀裂が入りネジ固定が緩み上部構造がグラグラ揺れている。
この場合インプラント体そのものには揺れはないが、
レントゲンなどで確認すると亀裂周辺が感染し骨吸収が起きてることもある。
経験と勘を頼りにトラブルの原因を探るので、
熟練した経験と準備がとても重要になるのです。
他院でかなり前に入れたインプラントが揺れているという相談。(写真上2枚)
周囲歯肉に炎症はなく指で触れながら揺らしてみると下部のゆれは全くない。
レントゲン撮影するとアバットメント連結部にわずかな隙間があった。
つまり、骨結合は問題なく上部構造と連結しているアバットメントの緩みである。
しかしアバントメントと上部のオールセラミッククラウンはしっかりついていた。
それをわざわざ壊して再製作するとなると費用的にも負担増になってしまうので、
咬合面から穴をあけてアバットメントにアクセスしねネジを完全に緩ませ、
クラウンごとアバットメントを一旦外して清掃し再装着した。
つまり今回の緩みをきっかけに接着固定をスクリュー固定に変更したのだ。
ちなみに修理費用はクリーニング代を入れて10800円になります。
もちろんこのインプラントシステムに適応したドライバーなどの器具は必須。
そういうものは常に準備している。
インプラントは天然歯同様いやそれ以上によく咬めるようになるが、
天然歯にはある歯根膜がないため緩衝しないし自己再生能力も少ない。
なので定期的なメインテナンスがとても重要なのである。
他院で行ったインプラント治療
かなり時間が経過したインプラント治療
どうも最近調子がおかしいインプラント治療
早期の対応であれば簡単に修理できますので、
おはやめにご相談ください。
奥歯のインプラント治療費は?
インプラントの費用 奥歯編
も合わせてお読みください。
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通算18000本以上の経験のある日本口腔インプラント学会専門医が担当
医)京和会 KU歯科クリニック 渋谷・銀座・青山・新宿・品川・世田谷・成城
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