![](https://keiwa-kai-kudc.sakura.ne.jp/wp/_wp/wp-content/uploads/2020/07/ca6a5e10-937c-4182-8baa-6973599cc221.jpg)
「正しい診断と予後を見据えた治療計画」
どんなことでもこれが最も重要です。
診断が間違っていたら高い技術があっても意味なし。
長い間インプラント治療を快適に機能させていくには、
手術時の高い技術や高品質な材料はもちろんですが、
最初の診査診断・治療計画がとても重要です。
具体的に言えばインプラント治療は埋入ポジション。
埋入位置やサイズの影響は時間の経過と共に
ジワジワ大きくなってきます…。
数年前に他の歯科医院で2本のインプラント治療を行ったそうですが、
すぐに上部構造が揺れはじめ何度も締め直したりして修理したそうです。
そして治療終了後1年くらい経過すると歯肉が腫れて排膿を繰り返し、
一旦は落ち着くけれどまたしばらくすると炎症が再発する状態。
最終的にはインプラントそのものを撤去せざる得ない状態になってしまいました。(写真上)
![](https://keiwa-kai-kudc.sakura.ne.jp/wp/_wp/wp-content/uploads/2020/07/9bf3469b5d596cbac49b8ba57066334a.jpg)
撤去前のCTの3次元画像を3方向から。
左下の画面は縦にスライスしてインプラントを正面から見ています。
左側は頬側になりますが本来あるはずの歯槽骨が4分の1くらいしかありません。(黄色2本線)
これではインプラントを維持するための十分な支持骨とは言えません。
上部構造の形態を見てもかなり頬側に傾斜して埋入されていることもわかります。
左上の画面は顔を横にスライスしてインプラントを上から見ています。
前後の天然歯の歯根を参考に歯槽骨のほぼ中心と言えるラインを引いてみました。(青1本線)
奥のインプラントはほぼ青いライン中心の位置に埋入されていますが、
撤去することになったインプラントはかなり頬側に埋入されていることがわかります。
インプラント自体はそのままで再度骨造成を行うことで改善することもありますが、
3分の2以上の骨吸収が起きた場合は一旦撤去し組織を回復して、
再度インプラント治療をやり直ししたほうが良いという基準があります。
1か月半から2か月ほど経過して歯肉が落ち着いたらインプラントを再埋入する予定です。
抜歯すると歯槽骨は頬側から痩せてきます。
もちろん痩せないように最大限の努力をしますし、
様々な骨造成も行いますが限界があります。
歯根膜という豊富な血流量を持つものがなくなるので、
骨膜からのみの血液供給となってしまいます。
さらに2本連続欠損なら天然歯からの供給も少なくなる。
なので、もし将来痩せてしまったとしても問題にならないように、
あらかじめ内側(口蓋・舌)にインプラントを埋入しておきます。
左上のCT画像で言ったら青いラインのやや右側に。
インプラントは人工物ですので必ずこういったリスクヘッジをしておくことが大切ですね。
KU歯科クリニックは他院で行ったインプラント治療のご相談も受け付けます。
20以上のインプラントシステムの器具器材を準備しておりますのでお気軽にご相談ください。
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<この症例の担当医師>
外科:梅田和徳
KU歯科クリニック