様々なところで歯科医院の広告を目にします。
色んなのがありますが最近目についたのが、
「切らない…縫わない…インプラント」。
抜歯後数年経過しているケースならできると思いますが、
大掛かりな骨移植や軟組織移植を伴う場合は不可能でしょう。
現実は残念ながら違うんです。
当医院ではシンプルなケースでもほぼ切開剥離を行います。
CTだけでは読み取れない細かなチェックポイントを直視したいからでsy。
なのでこの様な抜歯後数年経過してシンプルなケース(写真上)であっても、
最小限の範囲で切開剥離を行い直視してインプラント埋入を行います。
それでも縫合完了まで1本につき約10分弱。
フラップを開いて骨を削合すると硬さを正確に感じます。
もちろんレントゲンやCTである程度の予測はしてますが、
個人差も部位差もあるのでこれはとても大切だと思います。
どれくらいの力で骨に固定させるかは長期予後に大きな影響を与えます。
緩すぎてもダメなのはもちろんですが強すぎてもダメなんです。
なのでどんなに簡単なケースでも歯肉を剥離して直接確認します。
当医院では基本的にフラップレスオペは行いません。
と言うよりも、当医院は抜歯同時か抜歯後2か月以内が大半。
なので同時に骨造成をしなければならないことが多いので、
結局フラップレスでは不可能なんですよね。
最近はガイデッドサージェリー・フラップレスオペが一般化しました。
ガイデッドサージェリーはプラン通りの位置に正確に埋入できますが、
反面様々な注意が必要になりそれを怠ると今までなかったトラブルも起きる。
ガイドスリーブと器具の摩擦で骨質を感じにくくなったり、
内部にしっかり注水されなくなるので骨火傷を起こしたり、
目詰まりを起こしてしまって結合がうまくいかなくなることも。
なのでやっぱり最小限の範囲で切開剥離は行ったほうが良いのです。
ここ最近、サポート器具頼りになりすぎてないかと…。
安全確認は多方面から徹底的に行わなければなりません。
楽して最高の結果を得ることはできません。