インプラントがゆるんでます・・・
こんな相談で来院される方も多い。
インプラントは歯槽骨で支えられてますので、
上記のレントゲンの様に骨が痩せてしまうとゆるみます。
これは20年以上前に入れたインプラントだそうです。
重度の歯周病のようですね…。
こんな状況になった場合は再度骨造成することもありますが、
さすがにここまで骨吸収してゆるんでしまっては厳しい…。
残念ですが一旦撤去して新しい骨が新成できるよう対応しました。
ちなみに撤去は局所麻酔下で約3分ほど。
ゆるんでいたら全部がこんな状態なのか?
それが違うんです。
インプラントは歯槽骨の中に埋まる土台部分と、
歯冠の役割をする上部構造に分かれています。
更に大半のインプラントが中間に安全装置を付けている。
アバットメントと呼ばれるその安全装置は、
過剰な力がかかった時に土台に負担増にならない目的のもの。
それ自身が壊れたり固定用スクリューがゆるんだりしてくれて、
最も大切なインプラントと骨の結合を壊さないような働きをします。
インプラントは緩衝材の役割をする歯根膜がないので、
かみ合わせのバランスチェックはとても大切。
過剰な力が加わってしまうと最も大切な骨結合を壊すので、
アバットメントで力を逃がしてくれる。
なので一言でゆるんでいると言っても、
インプラントそのものがゆれているのではなく、
上部構造やアバットメントだけがゆれてることも。
レントゲンやCTなどの画像診断でもそうですが、
周囲の歯肉の状況を注意深く見るとどこのゆれかわかるんです。
たくさんのインプラントメーカーがあって、
さらにその中にもタイプがたくさんあるのでわかりにくい。
複数のインプラントシステムに精通していないと、
うちでは対応できません…になってしまう。
もし上部がゆるんでるだけなら、
1度外して清掃し固定しなおしておしまい。
メインテナンスでOKということ。
身体の一部としてしっかり機能すれば、
当然多少の劣化や破損は起きることもあります。
大きな問題になる前に気になったら相談に行く。
もちろん定期メインテナンスは欠かさずに。
これはインプラントに限らず天然歯でも同じ。
形あるもの永遠のものなんてありませんから。
なんか不安定な感じがする…
ゆるみはそのまま放置せずすぐに歯科医院に相談を!