仮歯はとても重要です。
支台歯を保護しある程度の機能回復を目的としてますが、
最終的な補綴物の指標にもなるので審美的にも大切です。
仮歯は素材が合成樹脂と軟らかいので、
最終的なセラミックよりも少し厚めになるし、
色も単色なのでマットな感じになります。
最近は様々な素材がありますけどね。
こちらの患者様は若くとても美しい。
しかし前歯の先端が欠けて長さが不揃いだし、
元々八重歯だったと思われる右の犬歯が不自然…。
4枚の写真の左側2枚の中央の犬歯です。
前歯には歯用のマニキュアが塗ってあったが、
長期間維持できるほど強度がある材料ではないし、
食いしばりが強く奥歯のすり減りが大きいので、
すぐに前歯の先端は欠けてしまうようだった。
先に奥歯のリペアを行い前歯の突き上げを弱め、
マニキュアのはがれ部分を補正しながら長さを整える。
そして問題の犬歯の不自然なクラウンを撤去し、
再度形成しなおして数回修正しながら新しい仮歯に交換。
仮歯はシェイプさせたので圧迫されていた歯肉が一気に戻り、
両隣在歯との間の歯間乳頭が自然に伸びてきた。
更に内縁上皮を意図的に削合し出血させ、
軟組織を申請させると言う新たなテクニックを数回行い、
下の歯とのかみあわせも調整を重ねてようやく落ち着いてきた。
今日で治療始めてちょうど4か月が過ぎた…。
この形をベースに最終的なオールセラミッククラウンに変更予定。
右上の犬歯以外は全てマニキュアでおそらく深部は虫歯もあるだろう。
なのでどこかのタイミングで残りの5本の前歯も仮歯に交換する。
奥歯のかみ合わせバランスが良くなければ前歯は長持ちしないのです。
それにしてもこの犬歯。
仮歯でもなく最終的なクラウンだった。
ちょっとなぁ…。汗