下顎第2大臼歯の遠心根の根尖病巣が大きく、
近心根との間の分岐部にも亀裂があると思われる。
患者様は強く保存を希望され、
月1度の定期健診でポケット内を洗浄していたが、
昨年末に歯肉が大きく腫れたと本日来院。
歯周ポケットは遠心根周囲は10ミリ以上。
デンタルレントゲンでも透過像が下歯槽神経に近接し、
抜歯時嚢胞摘出後の掻把も怖いくらいだと説明した。
患者様も私に任せると…。
このデンタルレントゲンの状況にしては揺れが1度。
近心根周囲の歯周ポケットは3ミリほどという事で、
全部抜かずに半分だけとりましょうという事に。
上記のレントゲン写真で言うと水色のラインで分割し、
白い部分の遠心根を抜歯し周囲の膿を掻把。
赤い部分が下歯槽神経なので厳しいですよねぇ。
もちろんどれくらい持つかわからない…と確認。
1年…半年…どれくらい持ってくれるだろうか。
手前の6番を削って延長ブリッジにはしたくないので、
抜歯部の歯肉が治癒したら綺麗に研磨してそのまま使う予定。
そのうえでどうしようもなくなったら残りの近心根も抜歯です。
でも…痛みや腫れや動揺がないからと言って、
抜歯のタイミングを誤ってしまうと、
抜歯後の治療の選択肢を狭めることにもなる。
きちんと経過観察にいらしていただいてるから、
今回はこのような判断をしたのです…。
安易に抜歯したくはないですからねぇ。
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