5分で終わるインプラント埋入オペ
こんなことを書くと、
フラップレスなんじゃないか…
と勘違いされる。
私は必ずフラップを作り
なんの障害物もなく骨を触り感じて
その上で使用器材やサイズを微妙に変える。
フラップレスは切削器具が周囲の歯肉に必ず触れるし、
ガイデッドサージェリーでもリングに器具が擦れる。
そうすると微妙な骨質を感じることができなくなるので
ほとんど全てのケースで歯肉を薄利しフラップを作る。
ただ窮屈に骨に固定させれば良いわけではない。
ストレスをかけすぎると骨は時間が経過すると痩せてしまうので、
ちょうどよい加減で固定させなければならない。
しかし軟らかい骨にはしっかり固定させなければならない。
そのさじ加減が長期的な骨の維持に影響が大きい事がわかってきて、
このような極々基本的なところを経験を積めば積むほど注意するようになった。
こちらのケースも上記のパノラマレントゲンとCTで事前情報は十分。
しかし削合すると海面骨が多く下顎臼歯部にしてはやわらかめ。
骨質の分類的にはクラス2と3の間くらいの軟らかさだった。
なので削合時にはやや小さめにしておき、
初期固定がタイトになり安定するよう工夫。
具体的な方法はセミナーにて…。笑
遠い将来のことを考えて予め1.4ミリ機械研磨面が付与されているタイプを使用。
カムログインプラントシステム スクリューラインプロモート
直径5.0ミリ 長さ11ミリ
これに延長ヒーリングアバットメントを装着して1回法で3針縫合。
麻酔が効いた状態で歯肉にメスを入れてから縫合まで
5分
でスムーズに終了しました。
・診査診断治療計画
・あらゆる状況に対応できる器具機材
・あらゆる状況に対応できる術者の経験値
・術者の考えを理解したスタッフ
これらをしっかり時間をかけて行っておくと、
実際の手術時間は短縮されるのです。
やり始めてから
こんなはずじゃなかった…
あの器具あったっけ…
こういう時間が全体の手術時間を延長させ、
術野は長時間外界にさらされ感染率は上がり、
出血量も増え麻酔も増えていく…。
実際に走るスピードを上げるのは限界がある。
それよりもあらゆることを事前にしっかり想定しその準備をし、
トラブルに会わない最適なコース取りをした人が勝利する。
歯科医である前に人としての考え方や性格の影響が大きい。
若輩者が生意気ってすいません。
…ガイドは位置確認のために使用します…