検診と歯並びの悩みで来院された初診患者様。
かみ合わせを安定させると顎が横にズレてしまい、
前歯の上下の中心も合わず同じ方向にズレている。
首や肩のこりが激しい…とのご相談。
咀嚼筋は首から肩につながっているのでもちろん影響はあります。
そして最後に
この前ちょっと歯肉が炎症をおこして
今はもう大丈夫なんですが
と…。
拝見すると歯肉の炎症の痕跡は位置や状況からしてかなり怪しい。
全体的なパノラマレントゲンと細部確認のため数枚のデンタルレントゲンも。
患者様が歯周病と言っていた歯の部分のデンタルレントゲン。(写真上中央)
嫌な予感が当たり、かなり大きな歯根嚢胞ができすでに広範囲の歯槽骨を溶かしてた。
神経を取ると時間の経過とともに歯は乾燥し劣化してくる。
なので咬合バランスが崩れストレス過剰な状態が続くと問題が起きる。
おそらく歯肉の腫れた位置からして歯根破折(亀裂含め)だろう。
仮歯を準備し次回クラウンを外してマイクロスコープで確認することになった。
浅ければリペアし深ければ最悪保存不可能になってしまう…。
半年くらい前に他の歯科医院で検診とクリーニングを行ったそうだが何も言われなかったと。
神経を取った歯は問題があってもなかなか症状が出るまでに時間がかかることが多い。
特に免疫力の高い人ほどその傾向は強いので気づくと手遅れになることも。
全体的なパノラマレントゲンだとこんな感じで写ってきます。(黄色い矢印)
歯肉の炎症と一口に言っても位置や腫れ方で様々な原因を疑わなければならない。
歯周病か?
根尖病巣か?
歯根破折か?
患者様からしたら酷い痛みもないし一時的に歯肉がちょっと腫れただけ。
たしかにこれでは歯周病と勘違いされてしまっても仕方ないです。
差し歯が多い
インプラント治療をしている
歯周病が進行している
このような患者様の場合は一般的な定期健診だけではなく、
少し踏み込んだ「歯科ドッグ」的なものをお勧めします。
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