上の写真は陶材焼き付け鋳造冠。
メタルボンドと呼ばれるセラミッククラウンです。
これは鋳造された薄い金属フレームに陶材を焼き付けて製作する方法。
金属色を隠すための不透明な下地を敷き透明度のあるセラミックを乗せていくのですが、
歯肉付近の厚みのない部分はどうしてもこのように不自然な色になってしまいやすい。
自然な色にするには厚みを確保しなければならないですよねぇ。
つまり自然な色を出すために健康な歯をたくさん歯を削ることになります。
場合によってはそれだけのために神経を取ってしまうことも…。涙
下の写真はオールセラミッククラウン。
もちろん金属は使っていない完全オールセラミックです。
オールセラミッククラウンそのものは20年以上昔からありますが強度不足でした。
二ケイ酸リチウムというガラスセラミックはプレッサブルとCAD/CAM用があり、
従来のメタルボンドの3~4倍の強度を持つことができ歯科補綴の概念を大きく変えた。
更に8~12倍の強度を持つジルコニアオールセラミックスもどんどん進化を続けており、
強度を維持したままシンプルに製作できる透明度の高いマテリアルが登場している。
強度と透明度を持つ材料を使用すると厚みがなくても高い審美性を獲得できるのだ。
上の写真は古いメタルボンドで歯肉も退縮し隙間も大きく審美性に劣ります。
これを綺麗に改善する際はどのようにするか簡単に解説してみましょう。
①まず古いセラミックを天然歯にダメージを与えないように外します。
専用のバーである程度切れ目を作りそこに器具で力を加えて広げます。
そうするとあっという間に古いセラミックがパカっと外れてきます。
これだけ不適合で古いかぶせ物になると中に2次カリエスがありますので、
その除去を含めて現在の歯肉形態に合わせて最小限の支台歯形成を行います。
歯石除去を行い事前に準備しておいた仮歯を装着。
②歯肉が引き締まるまでしばらくしっかりブラッシングを行います。
③その後最終的な型採りを行いオールセラミッククラウンを装着。
オールセラミッククラウンの装着方法は接着と言い歯質と一体化させる方法。
余剰接着剤をしっかり取り除き数回かみ合わせの微調整を行い終了。
そうすると下の写真のように周囲と調和のとれた前歯になるのです。
こちらは最も口元の印象に影響が大きい前歯4本のケース。
期間的には1か月弱で回数は3~4回と言ったところ。
たまたま現在数名の患者様がご相談にいらしておりますので紹介させて頂きました。
治療担当:KU歯科クリニック渋谷本院 牧野 梅田
技工担当:デンタルスタジオ246 石川
* すべてのケースで同様の結果が獲得できるとは限りません。