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インプラント

ソケットリフト…低侵襲骨造成

上顎奥歯のインプラントはちょっと無理です…

そう言われたとご相談の患者様。
結構いらっしゃいます。

上顎洞は頬骨の内側にある空洞で副鼻腔とも呼ばれます。
大臼歯部分にあたるので欠損すると骨量不足になりやすく、
インプラント治療ができないと判断される事が多いんです。
しかしそもそも大切な歯を抜くのですから、
本来周囲組織が十分あることの方が少ないわけで、
大半のケースは何らかの骨造成を行ってるのです。

ではこのエリアでインプラントを支える骨を増やすための方法は?

大きく分けると2つあります。

1つはサイナスリフトと言う頬骨側壁に15~20ミリほど開窓し、
粘膜を破らないよう剥離しスペースを作りそこに補填する方法。
大規模な骨造成は可能ですが術後の痛みや腫れは大きくなります。

もう1つはソケットリフトと言う痛みや腫れの小さな方法。
インプラントを埋入するための直径5ミリほどの穴から、
特殊な器具で膜を挙上しスペースを作りここから補填します。

2つ目の方法では同時にインプラントを埋入できる可能性が高く、
侵襲も小さいために術後のダメージが小さく済みます。(図上↑)
ただし内部を直視できないので経験とテクニックが重要で、
それが手術の結果に大きく左右することになります。
医科で言う開腹手術と腹腔鏡下での手術の違いのようなものですね。
うまくいけば最高ですがリスクもあるのです。

当院ではこのソケットリフトテクニックを20年近く行ってます。
もちろんサイナスリフトも行いますがまずはソケットで可能か…。
可能な限り低侵襲な方法を選択するように心がけております。
CTで事前に内部の詳細を知ることが可能になりましたし、
様々な最新の器具があるので可能な限りダメージの少ない方法で。

 

骨量は高さ7ミリほどとそそれなりにあったのですが、
第一大臼歯と言う最も咬合力のかかる歯だったので、
11ミリと言うやや長めのタイプを埋入したかった。

その為ソケットリフトテクニックで3ミリほど挙上し、
できた空洞に骨補填を行い同時にインプラント埋入。
口蓋側の痩せにくい骨方向にあえて先端を向けています。

カムログインプラント プロモート
直径4.3mm 長さ11ミリ

骨造成した大臼歯ですので将来の歯肉退縮のリスクを考慮して、
1.4ミリの機械研磨面が付与されているタイプを選択。
それをやや浅めにポジショニングしています。

手術時間は約15分。

3か月半経過したら固定式の仮歯に交換します。

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