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インプラント

高齢者のインプラント治療・患者様は87歳

神奈川県藤沢市の歯医者さんに依頼され出張インプラント手術に行ってきました。
患者様の年齢は87歳。
取り外しの入れ歯は絶対に嫌だということで左上奥歯にインプラントを御希望。

すでに前歯や右上には数本のインプラントが入っておりまして経験済みの患者様。
ここまでインプラント治療のおかげで入れ歯にしなくて済んだと感じておられる様子。

もちろん天然歯が1番ですがインプラントだとしても違和感なくバランスよく咬めることは、
健康に快適に人生を楽しむために大切なんだなと改めて実感しました。
家族と同じ食べ物を一緒にいただくっていろんな意味で幸せなことですよね。

体調確認してモニター設置して血圧測定など行いながらいろいろお話します。
普段飲んでおられるお薬の話などいろいろ再確認しながら今日の手術の説明を。
局所麻酔も体調確認しながら少しづつ行い仮歯を外してクリーニング。
若手の先生方に囲まれギャラリーが多い中の手術でした。

左上4・5・6部に3本の歯を作るために2本のインプラントを埋入してほしいと言う依頼。
5・6部は骨量が少なく骨造成が必要でしたが患者様の年齢を考慮して低侵襲は方法で。
頬骨側面から開窓するラテラルウィンドウテクニックでは痛みや腫れが大きくなるので、
インプラント埋入する穴から膜を持ち上げスペースを作るオステオトームテクニックで。
手前の4部付近から上顎洞前壁が斜めになっているのでこの方法でもかなり挙上可能です。

まずは4部に基本的な方法で直径3.3ミリX11ミリをシンプルに埋入します。
その時採取できた歯槽骨と人工材料を混和させ骨造成用に準備しておきます。

そしてやや6部寄りの5部に直径2.0ミリのパイロットDでマーキングし、
そのあとは直径3.5ミリまですべてオステオトームでコンデンスながら膜を挙上。
上顎洞底の皮質骨を貫通する瞬間の音も皆さんに確認していただきました。

準備しておいた自家骨と人工材料をその3.5ミリの小さな穴から少しづつ慎重に挿入し、
最後に直径3.8ミリ長さ9ミリのインプラントを慎重に埋入していき縫合いて終了。
切開開始から縫合終了まで約30分ほどのスムーズな出血の少ない手術でした。

水色に挟まれた部分が既存骨で黄色いドーム状に挙上された部分が骨造成したエリア。(写真上)
上顎の軟らかい骨質にはセルフタップで固定力の強いタイプではないかと言う意見もあるかもしれませんが、
高齢になると骨質が変性したりするので大きなストレスが骨にダメージを与えてしまうこともあります。
なのであまりハードな固定力のタイプではなく従来のスタンダードなタイプに切り替えました。

そして高齢者ですので審美的なことよりも将来の組織の変化を考慮しなければなりません。
歯肉が退縮しインプラントがもし露出してしまった場合は研磨されているツルツルな表面のほうがよい。
プラークも簡単に清掃できるのでこの研磨面が一定幅付与されているようなタイプが良いと思います。

約4か月経過したら歯肉を貫通させる2次手術を行って固定式の仮歯にしてから最終セラミックですね。
高齢者のインプラント治療は体調確認はもちろんですがインプラントプランニングがとても重要です。
無理のないリスクの少ない体に負担をかけない中で最大限の効果を出せるような計画を立てる。
そして将来の組織や生活上の変化などもしっかり考慮し提案しなければなりません。

快適な環境での「インプラント出張手術 in 藤沢」でした。
帰りの横浜新道入り口までは大渋滞。
さすが神奈川県屈指の大渋滞エリアです。

今回行ったオステオトームテクニックについて
↑ 併せてこちらもお読みください

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