どんなことにも正直でなければならない。
いいことだけ言うのでなくリスクの説明はとても重要です。
このケース(上)のように何らかの理由でインプラントを支える骨が痩せ、
インプラントを一旦撤去しなければならないようなケースもある。
ただそんな場合でも改めて新しいインプラントを埋入しなおして(下)、
骨吸収してしまった所にも再生療法を行うことで回復は可能。
今日の再インプラント埋入手術はとてもスムーズで約15分ほどで終了。
患者様も大変喜んでました。
他の2本のインプラントは今回撤去したものより古いが骨吸収もほとんどなく、
被せ物や周囲歯肉も全く問題なくとても良好な状態である。
なので今回このリカバリーしたインプラント部位の原因は「局所の原因」だと思う。
体質的にインプラントが合わない…とかいうのではない。
かみ合わせのバランスからくる長期的な不具合やもっと狭い範囲の問題。
日常のメインテナンスを放置していたり小さな問題がすり抜けた可能性だってある。
もちろん骨吸収の程度によってはインプラントを撤去しなくてもリカバリーは可能だし、
逆に吸収が進み過ぎた場合は新たにインプラントを埋入することができなくなることもある。
どんなものでも「やりっ放し…」で永遠に快適なものなんて1つもなく、
長期的に快適に使用するには「点検やメインテナンス」を定期的にしっかり行い、
問題を早期に発見して早め早めの対応をしたほうがいいですよね。
それが身体、医療、健康に関することであればなおさらなのです。
最近は他院で行った時間の経過したインプラントの定期健診をする機会が増えた。
チェック&クリーニングで済む場合もあるが、上部構造の破損修理や取り換えもあるし、
今回の様に骨吸収を様々な形でリカバリーしなければならないケースもまれにある。
「うちでは取り扱いがありませんので…」
といった白旗を簡単に上げたくないので色んなインプラントシステムの準備を行っているうちに、
現在は18ものインプラントメーカーの器具が当院には準備されています。
正直言うと器具の準備だけでなく頭の準備の方がはるかに大変で、
先生方もスタッフもよくぞここまで理解してるなと感心することが多い。
患者様にとってはどのメーカーのインプラントかは関係なく、
インプラントはインプラントであるので幅広く準備と理解が必要。
…とダラダラ書いたがこんなスタンスは一昔前は同業者やメーカーから批判された。
でもインプラント治療の長期予後やメインテナンスが社会問題化され注目されるようになったら、
複数のインプラントシステムに理解があるというのは逆に評価されるようになった。笑
こういう話をするとまたアゲンスト(向かい風)が強くなる…。
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