大臼歯は歯根が複数あります。
神経を取って時間が経過して歯が乾燥してくると、
又裂きのように分岐部から割れてしまうことがあります。
咬合力が最もかかる歯なのでこんなこともあるんです。
折れた歯根のうち遠心根(右)は虫歯が進行し保存不可。
近心根(左)はしっかりしていたので様々な理由から残すことに。
元々複数の歯根を持つ歯で保存不可能な歯のみ抜歯して、
健康な歯根を残して延命処置を図ることを ヘミセクションと言います。
ではその後どうするか?
通常は奥のクラウンを外して残した歯根とブリッジにしますが、
そうすると奥の歯にも余計な負担がかかることになります。
ただでさえブリッジはひずみますが手前の残る歯が貧弱なので、
さらに大きなひずみになって負担増になる可能性が大きい、
なので、この近心根のみでクラウンにすることに
どれくらい持つかわかりませんが、
ダメ元…延命処置と考えれば納得ですよね。
1年持つか3年持つか…または半年。
ダメになったら残りの歯根を抜歯し次の事を考えます。
必要以上に歯を削らない
余計な負担をかけない
できるだけ失った部分だけで補えないか。
常にそういったコンセプトで歯科治療を行っています。