患者様は23歳男性。
しばらく海外に行かれるとのことで、
予防的に親知らずを抜糸しておきたい。
そんなご希望でした。
歯肉を切開剥離してもほとんど歯冠は見えない。
かなり広範囲に骨削合し4つに分割。
歯根も2つに分かれ広がってました。
CTで下歯槽神経との3次元的位置を確認。
かなりの親知らず抜歯を行ってますが、
久しぶりに大変でした…。
顎のサイズに合わない親知らずは、
完全萌出できず虫歯や歯周病リスクも高く、
歯並びに悪影響を与えるとも言われてます。
なのでこんな風に歯根が完全にできてしまう前
中学生くらいの頃に予防的に抜歯することを
ウィズダムトゥースアウト
と言います。
骨も軟らかいので完全に埋まっていてもスムーズ。
矯正医からよくご紹介をうけます。
日本の矯正医はそこまで厳しく言わないようですが、
欧米では矯正治療したらかなりの確率で親知らず抜歯する。
せっかく何年もかけて歯列矯正したのに、
あとから生えてきた親知らずのせいで、
歯列がまた凸凹になったら大変ですよね。
訴訟社会ですから訴えられることもあるらしい。
取り外し可能なプレート矯正が大ブーム。
エステティックサロンのような歯科医院で、
ホワイトニング感覚で行っているようです。
矯正治療はそんなに安易で甘いものではなく、
きちんとした診査診断を元に行わないと、
アンバランスな咬合から問題が大きくなることも。
最近こんなトラブルが多いんだと、
ある歯科関係者が話してました…。
親知らずの状況もきちんと確認しないとね。