インプラント治療には仮歯がとても重要。
天然歯にももちろん重要なのですが、
人工物であるインプラントは特に大切です。

仮歯と言っても両サイドの歯に接着させるものや、
取り外し式の仮入れ歯タイプのものとは違います。

インプラントと一体化した固定式のもの。
ほぼ最終的なセラミックと同じものになります。

奥歯の単純なケースならいきなり最終セラミックもまれにありますが、
大半のケースでは固定式の仮歯を一定期間使っていただいております。
インプラントは歯槽骨と直接ハードに結合するので遊びがありません。
なので実際にお食事して咬合力があらゆる方向から加わると、
歯槽骨や歯肉が少し形態変化を起越すことがあるんです。
下顎骨の様な硬い骨もあれば上顎骨の様な軟らかい骨もありますし、
もちろん個人差もあるし咬み合わせも人それぞれバラバラですから、
使い心地を確認するためにもまず固定式の仮歯にしたいのです。

筋肉などの顎周りの組織の慣らし運転の意味合いもあるし、
仮歯の擦り減り方を最終セラミック製作時の参考にもする。
特に前歯などの審美領域の場合はとても重要です。
理想的な形でないセラミックを入れたら歯肉が退縮しちゃうことも。

何度も無計画に取り外しをするのはインプラント周囲組織に良い影響は与えません。
そんな理由から最近は条件が揃うとインプラント埋入と同時に仮歯を装着しますが、
同時に装着しなかった場合でも割と早いタイミングで固定式の仮歯に変えてしまいます。

抜歯と同時にインプラント埋入し固定式の仮歯まで一気に装着。（写真上 ↑）

仮歯は事前に完成させておくｋともあるしチェアサイドで直接製作することも。
チタン製テンポラリーアバットメントをおおよその長さに事前にカット。
それにレジンを事前に巻き付けておいてもらい用意した仮歯と口腔内で一体化。
歯肉貫通部を理想的に調整しトルクをかけて仮封鎖しました。

最後のチェックは必ずレントゲン撮影。

かみ合わせは強く当たらないように調整してますが、
心配性の私はマウスピースを準備。
その使い方とブラッシング指導を行います。

こんな低侵襲コンセプトのインプラント治療について、
レギュラーで行っているコース以外に講演依頼が増えている。

8月後半は歴史ある某スタディグループで。
11月は某学会イベントで某大学病院で。

結局今年も忙しいです…。汗