インプラント埋入手術を行う際に最も重要なのは、
しっかりと一定期間固定されていること。
固定されてなければ生物学的な結合はしないのです。
硬い骨は心配ないが軟かい骨や抜歯して穴が大きな部位。
そんな不安定条件でも早期に確実な固定を獲得するために、
各社ハードに食い込み安定させるデザインのものが増えました。
しかし固定を求めるがあまり骨に過剰なストレスをかけた場合、
時間の経過とともに骨吸収が起き場合によっては結合が壊れます。
生物学的結合をするまで動かないギリギリの機械的結合。
そういった適正トルクで安定させなくてはいけません。
インプラント埋入器機にもいろいろなタイプがありますが、
当院で使用しているビアンエアー(スイス)のアイシロプロは、
回転スピードやトルクがリアルタイムでわかるだけでなく、
個人情報を入力して記録しておくことも可能。
シビアなケースではこのアイシロプロの画面を確認しながら、
今どれくらいのストレスが骨にかかっているかを見ています。
今回カムログインプラントから新たに発売されたプログレッシブライン。
従来のスクリューラインと比較しハードな固定を獲得することが可能です。
ノーベルバイオケアならアクティブ、ストローマンで言うならBLX。
メジャーシステムは様々な用途のデザインがラインナップされ、
もちろんジョイント部分は互換性があり使い分けが可能です。
週末の学会で講演するテーマで少し記録を測定してみました…。(写真上)
どのメーカーのどの材料が…とかモノに走るかたが多いですが、
そのシステムのコンセプトを正しく理解することが大切です。
軟らかい骨に安定固定させるのも大切なのですが、
硬すぎる骨に過剰なストレスをかけないよう注意も必要。
インプラントは人工物ですので奥が深いです…。