10年、15年と時間の経過したインプラントをメインテナンスしていくと、
埋入位置やインプラントサイズの重要性を改めて感じます。
咬合力のかかる方向に対してバランスよく埋入されていなければ、
骨吸収を起こしたり上部構造が緩んだり外れやすくなる。
長期的には疲労でインプラント本体にヒビが入ることも。
太すぎれば周囲の支持骨は徐々に痩せてしまうので歯肉が退縮するし、
細すぎれば咬合力に耐えられずインプラント本体に過剰なストレスがかかる。
太さやデザインの選択も重要なのです。
当院は過去に他院で行ったインプラントの相談を積極的に受け入れておりますので是非ご相談ください。
そのトラブル原因は「位置とサイズと咬合バランス」によるものが大きく、
多くの歯科医が興味を持つ「インプラントメーカーやシステム」ではない。
どんなものを使っても使い方による影響のほうがはるかに大きいのです。
こちらのケースは下顎大臼歯2本欠損。(写真上)
インプラントシミュレーションソフトでプランニングを始めると、
下歯槽神経までの距離は十分だが歯槽骨幅がやや少ないことが分かります。
大臼歯なのでできれば直径5.0ミリくらいのフィクスチャーを選択したいが、
現在のプランニングでは直径4.3ミリの1サイズ細いほうで行ってます…。
なのでステントはあえて2.0ミリのパイロットサイズのものにしておき、
実際に歯槽骨の幅と骨質などを直接確認してから微調整しサイズを決める予定。
咬合力に対してバランスの良い方向を大まかにだけガイドしてもらい、
あえて最終サイズはギリギリまで選べる自由度を残しておくということ。
ちなみにこちらの患者様は先日医院見学にいらした臨床研修医のお父様。
そしてそのお嬢様も埋入手術に立ち会うことになりました。
最新器材や材料もとても大切ですが結局それを使うのは人間なのです。
ご縁がつながり感謝です…。
インプラント治療の安全管理
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