歯内療法専門医からのご紹介。
上顎前歯4本の審美障害と根尖病巣の患者様。
左上2番はインプラントです。( ↑ 写真 )
周囲の歯の形と調和がとれておらず、
審美性は著しく悪い…。
骨量・歯肉厚みが不足していることは一目瞭然。
さらにインプラント埋入位置・方向がちょっと。
正面からの2次元レントゲン写真。(写真上)
かなり近心に傾斜されて埋入されており、
1番の根尖近くにインプラントがある。
これ以外に3次元的にCTで精密診断を行うと、
かなり唇側に埋入されていました。
という事でまずはこのインプラントを撤去し、
自然にどれだけ組織が回復するかで計画を考えることに。
乱暴に撤去してしまうと周囲組織は更に挫滅し、
歯肉や歯槽骨の退縮が大きくなります。
天然歯を抜歯するように横に揺らすと、
周囲組織にストレスがかかってしまいます。
インプラント埋入軸方向に強い逆回転をかけたい。
しかし骨結合が強固だとそう簡単には取れません。
専用の器具を用いてインプラントを撤去しました。
インプラントの内部のネジ穴に合わせたスクリューを固定。
そのスクリューには逆ネジが切ってありそれに撤去用ジグを固定。
ジグの先端にはインプラントに食い込む爪がついていて、
ジグ事逆回転させるとインプラントの骨結合が壊れ取れてくるのです。
麻酔開始から縫合までで20分ちょっと。
周囲組織への挫滅を最小限にしたインプラント撤去。
スムーズに終わりました。
再度理想的なポジションにインプラント埋入しようか。
歯肉移植のみ行ってブリッジにしようか。
ご紹介いただきました歯内療法専門医の先生にご報告、
傷口の治癒を診ながら一緒に検討していきます。
インプラント埋入ポジションは重要ですね…。
かれこれ20年以上インプラント治療を行っておりますが、
過去10年の埋入データをまとめてあります。
ご参考にされてください。↑
<この症例の担当医師>
外科:梅田和徳
補綴:鎌田昌美、牧野正太郎