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診療風景

自家歯牙移植 autotransplantation

残念ながら歯を残せなくなった場合の選択肢は、

・入れ歯
・ブリッジ
・インプラント

と3つの選択肢があります。

入れ歯とブリッジは他の歯に負担をかけますが、
インプラントは他の歯を触る必要がありません。
しかし人工物はちょっと…という患者様もいらっしゃいます。

そんな方のために、
実はもう1つ他の歯に負担をかけずに歯を補う方法があります。

・自家歯牙移植

と言います。

これは必要のない歯を失った部分に外科処置で移植する方法で、
大半は親知らずを利用することが多いです。
移植の成功率は若ければ若いほど高いと言われ80~90%とも。

抜歯と移植を同時に行うケースの方が多いですが、
移植部位の嚢胞が大きく感染が広範囲に広がっていた場合は、
数日から数週間の間隔をあけることもあります。

完成した親知らずだけでなく歯根か未完成の親知らずも利用可能ですが、
歯のサイズが合わなかったり生着するまでに不安定になったりと、
経験や技術力が予後を大きく左右すると言われています。

抜歯部位の歯槽骨形態を移植する歯の歯根形態に整形し、
周囲組織にダメージが及ばないよう抜歯して移植します。
移植する場所の骨形成は感覚的な部分が大きいし、
なんといっても移植はスピードが重要です。
外界にさらしておく時間は最小限にしなければならず、
適切な判断力と準備とテクニックが成功を左右するのです。

移植後は安定するまで外力がかからないように注意しなければなりません。
やや深めにポジショニングし咬合力がかからないようにしたり、
手前の歯を仮歯に変えてワイヤーなどで固定することもあります。

このまま数か月の間慎重に経過観察をして、
最も重要な神経が生きてるかどうかなどをチェック。
神経治療が必要ならしますし不要なら少しづつ咬合させていきます。

インプラント治療の成功率が上がったので、
一時はあまり聞かなくなっていました自家歯牙移植。
実はかなり昔から行われている方法です。

接着材の物生の向上など様々な環境が改善したこともあって、
ここ最近再び注目されている欠損部分を補う治療法です。
天然歯ですからうまくいったら最高ですよね。

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