先日、ある若手歯科医師R君と話をする機会があった。
現在臨床研修医で某大学病院インプラント診療科で研修中。
国家試験合格後に臨床研修施設で1年の研修期間を経て、
来春からようやく臨床の世界に飛び込んでくるのです。
「 インプラント治療に興味津々です… 」
早くインプラント治療をできるようになりたいと、
目を輝かせて前のめりで質問される。
だんだんちょっと辛くなってきて、
少しR君には辛い話をしてしまった。
インプラント治療は最新のデジタルツールを準備すれば、
誰もがいとも簡単に行える治療に思えるかもしれない。
高水準な外科処置も器用な人ならすぐに取得できるだろう。
しかし身体の一部として長期間快適に機能させていくには、
「そもそもなぜ抜くことになってしまったのか」
を探求しある程度の解決を行っておくことが大切。
インプラントは人工物なので自己回復能力が乏しい。
原因を解決できてなければインプラントだってトラブルを起こす。
・不十分な歯内療法
・失活歯の経年劣化による歯根破折
・歯周病
・咬合のアンバランス
・外傷
・先天性欠損
などなど、歯が欠損しインプラント治療が必要な原因ってたくさんある。
解決法の1つであるインプラント治療を学ぶことも大切だが、
まずは欠損を作らないために一般的な治療のレベルをあげること。
そして技術面は親知らずなどの抜歯をスムーズに安全にできるように。
だってインプラントは最高にうまいけど抜歯はダメなんて人いません。
インプラント治療が上手な人は抜歯も丁寧だし出血も少ない。
なので
「 まずは基本的な事からだよ… 」
ってやんわり話したつもりなんだけど伝わってるかなぁ。
なんせ二回りも年が違う息子位の年齢ですからね。
ジェネレーションギャップでいろいろ気を遣うわけです。
50歳目前の渋谷の歯科医のつぶやき
ぶつぶつぶつ…