先日、親知らず抜歯をご希望され来院。
今日はまず右側の上下を抜歯します。(R側 ↑ )
上下ともに歯肉に覆われて親知らずは見えません。
ただし歯肉のすぐ下には一部親知らずがあるので、
手前の大切な7番目の歯周ポケットは深くなるし、
当然汚れもたまるので虫歯にもなってしまいます。
今回も下顎7番の遠心ポケットは6ミリ。
上顎7番は頬側から遠心にかけて歯頚部カリエス。
親知らずを抜歯して少し落ち着いてから治療が必要です。
磨けないですから仕方ないですね。
このレントゲンは2次元の画像ですが、
最近はCTで3次元的に位置を確認できます。
真横に埋まってるのはわかっていても、
それが舌側か頬側か真ん中か…。
それによって切開の位置も骨削合量も変わってきます。
大まかな地図ではなく小道や渋滞情報までわかるナビと同じです。
下顎骨の中に下歯槽神経があります。
耳の裏側から下顎骨の中を走行し口角の横で唇側に出てきます。
7番目の治療くらいまでなら注意する必要はあまりないのですが、
骨吸収を起こした痩せた骨にインプラント治療を行う場合や、
こういった埋まった親知らず抜歯の際は注意が必要です。
今日の右側上下の親知らず抜歯はスムーズに終了。
下顎は4針、上顎は1針の縫合で約20分ほど。
少し落ち着いたら反対側の上下を抜歯予定です。
痛みがなければ経過観察で…
といった歯科医も多いようですが、
現代人の小さな顎に萌出するスペースがないことが大半。
生えたとしても斜めで逆に歯肉の炎症を起こしやすかったり、
今回の様に真横になって静かに悪さしているのです。
是非ご相談ください。