昨年の秋に知り合いの先生から紹介された患者様。
歯根が縦に真っ二つに割れ広範囲に感染が広がり骨吸収があった。
当日は抜歯と掻把のみを行いコラーゲンプラグを挿入。
約1か月歯肉が落ちつくのを待って骨造成のみを行いました。
それから約5か月半経過した本日。
待ちに待ったインプラント埋入です。
水色に囲まれた部分が骨造成した範囲。(写真上)
何もなくなっていた部分に新たなしっかりした骨が。
骨質も硬く良好でインプラントの初期固定もバッチリ。
スムーズな手術は局所麻酔で約20分ほど。
吸収性(自然に溶ける)の縫合糸で4針。
出血もほとんどありません。
幅は骨造成で回復しましたが高さは不足。
上顎臼歯部は上顎洞があるので高さ不足であることが大半。
今回は痛みと腫れが大きくなりやすいサイナスリフトをせずに、
インプラント埋入のための小さな穴から特殊器具を挿入し、
上顎洞底の硬い皮質骨を粘膜ごと持ち上げてスペースを作ります。
全長9ミリのインプラントを6ミリ歯槽骨で固定し、
先端の3ミリはキャンプのテントの支柱のような状態に。
もっと挙上する場合はこの隙間に骨補填材を入れる場合もありますが、
これくらいの2~3ミリの挙上なら何も入れないことの方が多いです。
周囲からの骨髄液でこのスペースはあっという間に満たされますので、
1年もすれば自然にこのスペースにも新生骨ができるのです。
上顎洞粘膜を傷つけることなくドーム状に挙上されているのが、
上の水色のラインに沿ってみていただけるとわかると思います。(写真上)
もちろん従来のサイナスリフトで行う場合もありますが、
術後の痛み腫れを最小限にするためにこんな方法でまずできないかを考える。
医科の開腹手術と内視鏡手術の違いと同じ考えでしょうか。
4か月後に2次手術を行い上部構造の製作ステップに入ります。
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