前歯のような
「高い審美的要求が高い部位」
のインプラント治療は
使用システムや材料はもちろんですが、
術式と技術力が成功への絶対条件です。
歯肉を切開し骨膜剥離をすると血流が途絶えます。
血流が悪くなると皮膚の傷と同様組織が瘢痕化し、
見た目が著しく悪くなってしまいます。
歯肉だから大丈夫と思うかもしれませんが、
退縮して歯肉量が不足すれば歯が長く大きくなり、
周囲との調和は取れなくなるのです。
そんなこともあって条件が揃った場合、
手術回数を最小限にすることが有効です。
血流を阻害する時間を最小限にし、
組織への悪影響が少なくなるようにです。
抜歯とインプラント埋入と骨造成を同時に。
更に条件が良ければ固定式の仮歯装着まで。
できるだけ手数を少なくし高いゴールを目指します。
抜歯してできた穴よりも細いインプラントをやや内側に
これが審美的に長期的に維持するための鉄則。
太いサイズを選択すれば固定は簡単ですが、
将来の骨吸収時に歯肉退縮やインプラントの露出などが心配。
抜歯してできた穴よりも細いインプラントをピンポイントに入れ、
1ミリ以下の唇側皮質骨をキープさせるための骨造成を緊密に行う。
上写真の青い部分が骨造成した部分になります。
そして必要であれば同時に骨造成も行います。
高いゴールを目指すための即時埋入や即時過重ですが、
うまくいかなかった時のリスクも大きいことを忘れてはいけません。