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診療風景

抜歯基準は?

右上4番は残念ながら保存できませんでした。

もちろんできるだけ抜歯せずに残したいですが、
このレントゲンでもわかるように、(写真上)
歯根部分にパーフォレーション(穿孔)があり、
そこから広範囲に感染が進行しています。
過去にも何度か歯肉が腫れて膿が出たことが。

パーフォレーション(穿孔)とは、
神経治療の際に根管とは異なる部分に誤って穴が開いてしまうこと。
その穿孔してしまった部分が小さく浅ければリペアすることもできますが、
範囲が大きく深い場合は長期的には保存が厳しくなることがあります。

こちらのケースでも穿孔部分を樹脂でリペアしていますが、(白い部分)
歯槽骨内の深い部分でかなり範囲も広いためかなり厳しい状態。
手前の3番付近まで歯根嚢胞が広がってしまっています。(手前の黒い部分)
CTの3次元画像で確認すると骨吸収している部分はかなりの広範囲。

抜歯すると歯根に大きな嚢胞がくっついてきました…。

掻把したら中からたくさんの白色の膿汁が滝のように流れてきて、
抜いた歯の歯根を診るとやはり穴を補修した痕跡もあった。
感染物を除去して洗浄しコラーゲンスポンジを挿入し縫合。
両隣の歯に接着剤で仮歯を固定させて終了。

患者様は医師の方で予想以上の状態に絶句…。
なぜこんな状態で無症状だったのだろう。

痛みや腫れがあるかどうかは患者さんの免疫力によって違います。
慢性化すると健康な方はかなり酷くなるまで無症状なこともあります。
なので気づかず感染が広がってしまうことってとても多いのです。
でもここまで歯根嚢胞が大きくなってしまい皮質骨を広範囲に溶かし、
また前後の健全歯にも悪影響を及ぼしかねない状態ならやはり残せません。

・抜歯しなければなりません…
・なんとか抜かずに残してみましょう…

誰もが抜歯せずできるだけ自分の歯を残したいですから、
残せると言われたらそれにかけてしまうと思います。
しかしそのせいで次の治療の選択肢を狭めてしまったり、
周囲の健康な歯に悪影響を及ぼす可能性があることを忘れてはなりません。

・最低5年はなんとか残せると思います…
・1年くらいは何とか持つと思います…
・どれくらい持つかわからないがとにかく残しましょう…

患者様は藁をもすがる思いですから残せると言われたら嬉しいですよね。
でも、どんなニュアンスなのかをしっかり把握して判断することが大切。

リスク承知で1年でも半年でもひとまず残してみるのか…。
長期的な予後を見据え少し早めの判断をするのか…。

しっかり理解してうえで最終的にはご自分で判断しなければなりません。

こちらの患者様も定期健診には年数回きちんと通院されていたそうで、
痛みはないけれど時々歯肉が腫れて膿が出ることも伝えていたそうです。
少なくともレントゲンでチェックしていれば見逃すはずがないと思うのですが…。

限界を知りあきらめること…

こちらも併せてお読みください。

その場限りの優しい言葉をかけるだけではなく、
厳しい目で嫌なことをお伝えすることも医療人の仕事です。

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