夕方飛び込みの患者様。
痛みがあり我慢できないと…。
レントゲンを撮ると古いクラウンが入っている歯に問題あり。
歯根嚢胞がかなり大きく痛みの原因はこの歯でした。
神経をとって時間が経過すると歯は乾燥します。
メタルコアは外開きに作るので(そうしないと入りません)
上部の歯質がとても薄くもろく割れやすくなります。
なのでこういったメタルコアを除去する時は、
ある意味インプラント手術よりも緊張するのです。
慎重に切れ目を作り僅かに揺らしながら上部に引き挙げると、
うまい具合に一塊でメタルコアが取れました。(写真上↑)
メタルコアを除去した歯質はこんな感じ。(写真上↑)
口腔内は唾液にまみれ食べ物も入るので細菌が繁殖します。
金属の触れてる部分は歯質そのものが劣化することも多い。
貴金属ならともかく今回のような材質の金属だと猶更。
触れてる部分の歯質が真っ黒なんてよくあるのです。涙
まだマイクロスコープで確認はしてませんが、
こちらからの方向の分岐部に亀裂はありません。
むしろ遠心側の薄い歯質が厳しそうで…。汗
膿が綺麗になったとしても咬合力に耐えれるかどうか。
改めてレントゲン撮影すると根尖病巣はかなり大きい。(写真上)
やはり根分岐部にも透過像があるので歯根側からの亀裂があるかも。
最終的に保存できるかどうかはまだわからないが、
まずは痛みを軽減させるための応急処置。
無麻酔でここまで約10分ほどで行いました。
この範囲が透過像。(写真上↑)
透過像と言うのは膿が写っているのではなく、
膿のせいで骨が緻密じゃなくなってるところなのです。
なので実際にはもっと広範囲なことが多いんですよね。
ひとまず次回から感染根管処置を行ってみようと思ってます。
分岐部の透過像から亀裂があるようにも思えますが…。
簡単に抜歯したくないのでまずは頑張ってみようかと。
自分の歯に勝るものはありません。
しかしどうしようもなくなるまでギリギリ持たすより、
一歩手前で対応した方が治療の選択肢は広い。
難しいところですよね。
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