下顎第一大臼歯は最初に生えてくる永久歯。

まだ自己管理できないうちに生えてくるので、
う蝕罹患率（虫歯のなりやすさ）も高い。
う蝕が進行すれば神経を取って差し歯になるし、
咬合負担が大きな歯なので歯根破折も起きやすい。

そんな理由から全ての歯の中で欠損率が最も高い歯。
つまり抜歯してなくなってる人が最も多い歯。

そんな第一大臼歯にインプラント治療を行った。
まもなく丸7年が経過する。

当医院では上部のセラミックの破損や修理をしやすいよう、
スクリュー固定を基本としているので咬合面に仮蓋がある。
また天然歯同様歯周組織の炎症のリスクもあるので、
外して深部のクリーニングがしやすいようにと言う目的も。

しかし丸7年この歯は通常のクリーニング以外一切触っていない。

もちろん患者様の日常メインテナンスもしっかりされているし、
定期的に歯科衛生士による細部のチェック＆ケアも欠かさない。

しかしインプラントは歯根膜と言う緩衝材がないので、
上部構造に軟らかい材料を使用すると摩耗が速い。
摩耗が速いと薄い部分から破折が起きたりするが、
当時主流の材料である二ケイ酸リチウムも問題なし。

現在では更に強度のあるジルコニアを選択する大臼歯だが、
それに交換する心配もなく全然問題なさそうだ。

インプラント治療ってどれくらい持つんですか？
かなり頻繁に検診に来ないと大変なんですか？

きちんとした咬合全体のバランスを回復し、
通常よりも少しだけケアに気を付けてもらえれば、
こんな風に何の問題もなく長持ちするんです。
どんなものでも形あるものに永遠はないですが、
その寿命を延長させるのは患者様次第であり、
歯科医院のコンセプトによるによるものだと。

目の前のトラブルを立て直す対処療法をしつつも、
トラブルになった原因を同時に解決していくこと。

これが大切です。